
肩の捻挫は、転倒時に肩から落ちてしまって地面で肩を突いた場合や、作業中の転落・転倒、交通事故などで肩の外側を強く打ち付けることにより肩鎖関節を損傷して起こることが多いです。肩鎖関節は、肩甲骨と鎖骨の間にある関節で、肩関節にある肩鎖靭帯とその内側にある菱形靭帯、円錐靭帯の3本の靭帯と三角筋、僧帽筋によって保たれています。 肩鎖関節は、靭帯の損傷程度や関節面のズレの程度や方向によって、捻挫、亜脱臼、脱臼にわけられます。
肩鎖靭帯の部分的な痛みだけで、鳥口鎖骨靭帯や筋肉に異常がない場合は、肩鎖関節の捻挫と診断されます。三角巾で手を吊って、2日から3日は患部を冷やし、その後は患部を暖め、症状が引いてきたら少しずつ肩関節の運動を始めます。三角巾での固定は2週間から3週間ほどで十分な場合がほとんどですが、肩鎖関節に負担を掛けるような動作は受傷後1ヶ月ぐらいまでは厳禁です。
筋肉に損傷はないが、肩鎖靱帯が断裂し、烏口鎖骨靱帯が部分的に傷んでいる場合には、肩鎖関節亜脱臼と診断されます。三角巾やテーピングでの固定を3週間から4週間行い、その後は医師の指示に従い、リハビリを始めます。
肩鎖靱帯、烏口鎖骨靱帯ともに断裂して、X線で鎖骨の端が完全にずれていることが確認できる場合は、肩鎖関節脱臼と診断されます。普段運動をしない中高年層であれば、亜脱臼のときの治療と同様でもよいですが、若い人やスポーツをする人などは手術を行ったほうがよいでしょう。
肩鎖関節は、上肢の運動機能に対して重要な役割を担っています。捻挫程度であれば、安静期間をしっかりとれば、予後は良いですが、亜脱臼や脱臼になると後遺症の可能性もでてきますので、しっかりと治療とリハビリを行う必要があります。